フランス大統領選(4月23日と5月7日の2回投票)までいよいよ1カ月を切った。候補者は11人。最終コーナーに突入し、候補者はこれまで以上に自分の存在をアピールすべき局面だが、男性候補者の服装はみんな紺のスーツに白のワイシャツ、そして同系色の無地のネクタイである。モードの国フランスにもかかわらず、判を押したように新卒の会社訪問スタイルだ。
大統領の制服になった“無難な組み合わせ”
3月20日の夜、民放テレビTF1で主要候補者5人による3時間のテレビ公開討論が実施された(視聴率はなんと平均約40%!)。
中道・独立系政治グループ「前進!」を率いるエマニュエル・マクロン氏、右派政党「共和党」公認候補フランソワ・フィヨン氏、「社会党」公認候補のブノワ・アモン氏の3人もこの会社訪問スタイルだった。薄いブルーのワイシャツのマクロン氏を除いて、フィヨン氏とアモン氏は白のワイシャツだった。冒頭の写真を見ていただきたい。見事に同じような格好である。
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出演した候補者の中で唯一の女性だった極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首は、胸元の開いた白いブラウスに黒のパンタロンスーツで登場した。この黒の上下はフランス女性の古典的公式スタイルである。
左翼政党「服従しないフランス」のリーダー、ジャン=リュック・メランション氏だけが5つボタンの作業服風の黒の上着に、赤地のネクタイだった。ただしワイシャツは白だった。