テレビ局は、なぜ成長産業ではないのか?

 

視聴行動データをIT企業に吸い取られているテレビ局

ソニー、ネット対応テレビを米国で発売 「グーグルテレビ」対応

今年10月、ソニーが発表したインターネットテレビ(ニューヨークで)〔AFPBB News

 それは視聴者の行動データを貯めていないからである。グーグル、アマゾン、イーベイなどインターネット出現以降のベンチャー企業で、大きく成長した企業は、例外なく自社でユーザーの消費行動のデータを集めている。

 顧客名簿ではなく、「ユーザーが何を好きか」「いつどこに行くのか?」などの行動情報を大量に集め、分析している。

 テレビ局も、1日数千万人が利用する企業なのに、視聴者データが集積されない。それどころか、旅行番組を見た視聴者が、ネットで旅行を申し込んだら、その行動データは旅行サイトに蓄積されてしまう。

 「テレビはやっぱり情報の起点だよね」などとおだてられているうちに、肝心のユーザーデータをIT企業に吸い取られているのだ。

 そのテレビ局に大きなビジネスチャンスが訪れている。

ネットTVは、テレビ局にとってビッグチャンス

 ネットTVの発売、普及だ。

 米国で2010年10月に発売されたグーグルTVやサムスン電子やLG電子が売り出しているインターネット接続のネットTVは、2014年までに全世界で1億台以上が普及すると見られている。(eMarketer 2010年10月6日)

 グーグルTVをはじめネットTVは、テレビ番組以外にも、アマゾンの映像配信サイトやユーチューブ、その他のインターネットサイトを見られる。

 インターネット上の行動履歴はクッキー(Cookie)という技術で把握できるが、ネットTVでも同じことが可能になる。