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【連載第1回】

 鞄や家具などのものづくり、ファッションやオペラなどの文化。歴史的建造物が連なる町並みや穏やかな農村。国のいたるところに文化と産業が息づく町があるイタリア。国家財政・社会情勢が悪化する中、なぜイタリアの地方都市は活気に満ちているのか。イタリアに日本の課題「地方創生」解決のヒントを探る。

タガが外れる寸前の厳しい国家財政

EU4位の大国 1人当たりGDPは中位

 まずはイタリアという国を知るために、さまざまな側面からイタリアのデータを見ていきましょう。

 イタリアは人口およそ6000万人、欧州連合(以下EU)加盟国の中でドイツ、イギリス、フランスに次ぐ規模の大国です。ところが、図-1が示す通り、1人当たりGDPで言えば北欧諸国が圧倒的に上を行き、イタリアは約3万5000ドルで中位レベルにとどまっています。

 同図では、イタリアに次いでスペインが約3万ドル、ギリシャが約2万ドルとなっています。

 余談ではありますが、実力で言えばギリシャは1万ドルといったところでしょう。EUに加盟していることで実力の2倍ほどに嵩上げされていますが、一度ギリシャはEUから離脱して実力相応の1万ドル国家に戻れば、また国として強くなっていくのではないかと、私は思っています。

 現状のような中途半端なEUの救済では、失敗に終わることが目に見えています。