業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速にむけたヒントを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。

(文:コーチ・エィ 粟津恭一郎)

「仕事に情熱をもって取り組んでいますか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか。

 調査会社のギャラップ社が50年に及び世界150カ国で行った調査によると、人の幸福度に最も大きな影響を及ぼしているのは、「仕事に情熱をもって取り組んでいるかどうか」なのだそうです。(※1)

 この調査によると、仕事の幸福度が高いと人生の幸福度が2倍になります。しかし残念ながら「仕事に情熱をもって取り組んでいる」と答える人は3人に1人もいませんでした。

 先日、私のエグゼクティブ・コーチングのクライアントが、自社の組織調査の設問に「あなたは仕事に情熱をもって取り組んでいますか?」という1項目を加えました。結果を見ると、他の部署と比べて突出して高いスコアになっている部署が1つありました。そこで私は、この組織長であるAさんにぜひインタビューをさせていただきたい、とお願いしました。

「情熱をもって取り組んでいる」部のトップは何をしていたのか?

 Aさんはこの部品メーカーに新卒で入社し、長く営業を経験した後、2年前に現在の商品開発部長に就任された方でした。年齢的にはおそらくこの会社で最も若い部長で、なおかつ、文系でははじめて、この部署の部長になったのだそうです。

「仕事に情熱をもって取り組んでいる」と答える人が多い理由を教えてほしいとお願いすると、Aさんは「正確にはわからない」としつつも、「他の部署ではやっていないことがあるとしたら・・・」と、こんなことを教えてくれました。