ケリー米国務長官が被爆地を訪問、「謝罪はしない」と米高官

広島の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花した(左から)フランクワルター・シュタインマイヤー独外相、岸田文雄外相、ジョン・ケリー米国務長官、フィリップ・ハモンド英外相、カナダのステファン・ディオン外相(2016年4月11日撮影)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI〔AFPBB News

 オバマ大統領は日本への原爆投下を謝罪するべきではない。広島訪問も止めるべきだ――。米国の著名な言論人である民主党系の学者が、こんな趣旨の論文を大手雑誌に発表した。

 この主張は米国でいまだに根強い原爆投下正当論の典型であり、米国社会の現実として日本側でも改めて認識しておく必要があるだろう。

民主党系の論客も「正当論」を主張

 米国の総合月刊誌「USニューズ&ワールド・レポート」は4月19日に発行された最新号に「広島について謝罪するな」と題する論文を掲載した。筆者は米国の外交研究機関「アメリカ外交政策評議会」上級研究員のローレンス・ハース氏である。

 ハース氏は米国外交政策研究の学者かつ評論家として広く知られる。民主党ビル・クリントン政権では行政管理予算局幹部やアル・ゴア副大統領の補佐官として勤務しており、民主党系の論客として知名度が高い。