ある調査機関のリポートによると、中国ではスマートフォンなどのモバイル機器やパソコンを使ったインターネット消費が好調で、市場はここ数年、右肩上がりで拡大しているという。
例えば2015年度の同国におけるネット小売り売上高は、3兆8600億元(約67兆円=約5900億ドル)となり、前年度から約38%増加した。
この金額は同国の全小売り売上高の約13%にとどまるため、ネット小売り市場は今後まだまだ拡大すると予測されている。
テレビはネットの半分以下に
そうした中、米国の市場調査会社であるeマーケターがこのほどまとめた中国のネット広告市場に関するリポートによると、今年1年間おける同国のネット広告支出額は、404億2000万ドル(約4兆5000億円)となり、前年実績から30%増加する見通し。
中国ではすでにネット広告への支出額が、テレビ広告などほかの広告媒体の支出額を上回っている。例えば昨年の支出額を見ると、ネット広告は310億9000万ドルだったが、これに対しテレビ広告は196億1000万ドルにとどまった。
このほか屋外広告は83億6000万ドル、印刷媒体は59億6000万ドルで、その内訳は新聞が51億4000万ドル、雑誌が8億2000万ドル。ラジオ広告は43億1000万ドルだった。
eマーケターの分析によると、中国の広告市場はネット広告への移行が急速に進んでいる。
例えばテレビ広告への支出額は今年189億2000万ドルと、前年比で3.5%減少し、ネット広告の半分以下になる見通し。テレビ広告は今年、同国の全広告支出額の24.2%にとどまると同社は見ている。