モスクワへのテロ計画で逮捕、爆発物発見 住民ら120人避難

雪の降る中、ロシア・モスクワの赤の広場を歩く人たち〔AFPBB News

 年明けの世界金融市場は波乱の幕開けとなった。ロシア市場もロシアの主要輸出産品である原油価格がここまで下がると平穏無事であるわけがない。

 株価指数RTSインデックスは年初来マイナス5.8%、対ドルルーブルレートも7.1%下落した。もっともモスクワの街中はパニック状況にあるわけではなく、むしろ諦めにも似た落ち着きを感じる。

 では原油価格が反転に転じればロシア経済も回復に転じるのであろうか。物事はそれほど単純ではなさそうである。

 ここ数年、内外の識者が指摘しているようにロシア経済には抜本的な構造改革が必要である。その中でも生産性の改善と並んで頻繁に指摘されるのが国内中小企業の育成であるが、最近、これに逆行するような動きがモスクワ市内では進行中である。

中小店舗を次々撤去

 それは地下通路や地下鉄駅前の中小店舗の強制撤去である。モスクワ市政府はこれらの店舗が違法建築であること、これらの業者が脱税の常習犯であることなどを強制撤去の理由に掲げている。

 しかし、市民生活には欠かせないものでありネットのSNS上でも市当局への批判が繰り広げられている。

 ロシアの中小企業はこのまま息絶えてしまうのであろうか。すべての中小企業が当局の言いなりになっているわけではない。特に筆者が日常つき合っている若手のベンチャー企業は生き残りに懸命である。

 彼らの多くはネットビジネスやソフトウエア開発に携わっている。こうしたビジネスは場所に拘束されないメリットがある。いきおい、こうした企業は海外展開を目指すことになる。そして、いまロシアのベンチャー企業が日本進出を図っているのである。

 歴史を振り返るとロシア人が日本で始めたベンチャーは少なからず存在する。

 古くて有名なものではチョコレートのモロゾフやゴンチャロフ、スペースインベーダーで一躍有名になったゲーム会社タイトー(現在はスクエア・エニックスに吸収合併)の設立者コーガン氏もロシア人である。モロゾフやタイトーは日本で上場まで漕ぎ着けていることに敬意を表したい。