尖閣諸島をめぐる日本と中国との対立は、中国が同諸島周辺の海域、空域での軍事、非軍事両面でのプレゼンスをさらに強め、優位に立ちつつある――。
11月中旬、米国議会の中国関連の政策諮問機関がこんな判断を明らかにした。
尖閣諸島を中心とする東シナ海において、中国は南シナ海での行動とは対照的に静かな形で影響力の拡大を進め、日本を圧しつつあるというわけだ。日本にとっては、尖閣諸島の領有権に影響する重大な警告だといえよう。
超党派の政策諮問機関が明らかに
米国議会の超党派の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は11月中旬に公表した2015年度の年次報告書のなかで、この判断を明らかにした。
同委員会は、「米中経済関係が米国の国家安全保障に与える影響」を主体に調査・研究し、その結果を米国政府や議会の対中政策に反映させることを任務として2000年に設置された。以来、一貫して中国の動向を恒常的に測定している。