中国、日本人男性2人を拘束 「スパイ行為」関与の疑い

中国の上海で窓に映る警備に当たる警察官らの影〔AFPBB News

 中国が日本人4人を数か月前に拘束していることが分かった。軍事施設に関わるスパイ容疑が持たれたようである。前後して米国人なども拘束されているという。通常は拘束の理由などがしかるべきルートを通じて通知されるが、相手が中国となるとそうはいかない。

 中国から日本に帰化した石平氏は、かつて中国共産党政権の指導者たちを「異質人種」と見なした(「産経新聞」2012.2.2付)。

 それは「理想的な指導者」と見られてきた周恩来が首相となったとき、「自ら命令を出し」て、祖父母や父母も眠る周家一族の墓地を破壊させ、遺骨を取り出して移葬することもなく土中に埋めさせたことを知ったからだという。

 このように、祖先を祖先とも思わない、要するに人間を人間と思わないのが共産党の指導者である。かつてのソ連がそうであったし、その影響下に共産主義を取り入れた国々で人間の命が弊履の如く扱われた。

 共産主義下で1億人が犠牲になり、その約7割が中国においてであるとも言われる。

異質人種の共産党指導者

 石氏が物心ついた頃の中国は、文化大革命で批林批孔が吹き荒れていた時期で、孔子の思想は反動思想の筆頭に上げられ、論語を大きな声で読めなかったという。祖父の指導で論語の一節を書いては捨てなければ、どんな災難が降りかかってくるか分からない時代であったのだ。

 こうした殺伐とした時代は、人間性ばかりでなく杜牧が詠んだ「江南の春」など、かつての水墨画の風景もすっかり消えてしまい、氏はそうした景色を思い出させる場所を後に京都で見い出すことになる。

 「共産党政権の非情さをよく知っているつもり」でいた氏であるが、上述の周恩来の行動を知ったときは、「何という恐ろしい心の持ち主」なのかと、「鳥肌の立つ戦慄を覚えた」と書き、「『共産党指導者』という人種の精神的異質性」として糾弾する。

 春節(中国の伝統的な旧正月)で民族大移動が展開される今日でも、指導者たちは帰郷しないで、政治的演出のために家族の気持ちや生活を犠牲にして地方視察などに出かけるそうである。

 胡錦濤や温家宝も任にあった前後10年間、一度も家族と正月を過ごしたことはなかったとも書いている。

 共産党指導者のこうした行動パターンの究極が一族墓地の破壊という、人間味も何もない「恐ろしい心」につながっているに違いない。