発端は8月4日、非武装地帯(DMZ)で韓国軍が捜索作戦をしている時に地雷が爆発したことだった。この爆発によって韓国軍の兵士2人が足を切断するほどの重症を負った。
韓国側は、これを北朝鮮の挑発と受け取り、北朝鮮側に謝罪と責任者の処罰を要求した。そして、10日の午後5時には、国防部で対北朝鮮への拡声器放送を再開することを決定した。
拡声器は、メガホンをいくつも取りつけたもので、最初に画面で見たときは何だか滑稽なものに見えた。ちみに、拡声器の設置および放送は、2004年以降11年ぶりだったようだ。拡声器を通じて、北朝鮮への悪口を散々言うらしい。
その傍ら韓国側は北朝鮮側に将校級会談を申し込んだが、北朝鮮はこれを拒否。2日後の13日にも提案してみるが、またもや拒否。
米韓演習に苛立った北朝鮮
今度は北朝鮮が、15日に公開警告状によって「拡声器の撤去」を要求した。「もし、これを受け入れない場合、対北朝鮮心理戦の手段破壊および無差別的な打撃に出る」とまで脅してきた。
韓国側もこれに負けじと、韓米連合司令部と合同参謀本部が合同で17日から28日までウルチフリーダムガーディアン韓米軍事演習をすると、北朝鮮に通報した。
演習を始めたことにいらだったのか、北朝鮮は20日午後3時53分に韓国に向けて砲弾を発射、続けて午後4時12分にはDMZの南側に砲弾3発を発射した。
そして、午後5時には、「心理戦放送は(北朝鮮に対する)全面的な挑戦」であるとし、「20日の17時から48時間以内に心理戦放送を中断し、22日まで拡声器を撤去しなければ、軍事行動を開始する」と言ってきた。
この間、韓国のウォンは中国の株価暴落と相まって円高ウォン安基調になり、一晩で60ウォンも円高になるなど、為替も目まぐるしく変わった。もちろん、北朝鮮だけの問題ではなく、世界的な情勢のせいもあるが、この2日間韓国では大混乱していたわけだ。