早いもので、今年もお盆の季節となった。お盆は、旧暦の7月15日を中心に行われる先祖の霊を祀る行事。故郷に帰省し、先祖のお墓参りをされている方も多いのでは。

 お盆の由来は諸説あるようだが、お盆が仏教行事ということから、仏教的な側面からその起源と由来を調べてみると、中国の西晋時代に活躍した竺法護が翻訳したとされる『仏説盂蘭盆経』、異訳とされる『仏説報恩盆経』などが典拠とされ、お盆の盆という言葉も、盂蘭盆を簡略に表現したものとされているようだ。

 詳しくは、蒲池勢至著『お盆のはなし』(法蔵館)に分かりやすく解説されているので、ご興味のある方にはぜひお読みいただきたい。

 今週は、ご先祖様に想いをめぐらせながら、死の周辺で仕事をする人たちを描いた本をご紹介させていただきたい。

変わりゆく葬儀ビジネス

 井上理津子著『葬送の仕事師たち』(新潮社)は、団塊の世代が80歳代となる超多死社会を間近に拡大し続けている葬儀業界において、故人との別れのプロフェッショナルである葬儀社の社員、納棺師、エンバーマー、火葬場職員の姿と仕事を通じて、現代の死に方事情に迫ったノンフィクションだ。

『葬送の仕事師たち』(井上理津子著、新潮社、1512円、税込)

 お別れの場面で黒子に徹し続け、あまり語られてこなかった業種に就き、死の現場の最前線で死に関わる彼らの生々しい証言は、私たちに尊厳をもって故人を送るとはどんなことなのかを教えてくれた。

 2013年における日本全体の死者数は約126万人で、2030年には161万人に達するといわれている。団塊の世代が80歳台に突入し、大量死の時代が到来するためだと考えられている。

 急激な死者の増加に伴い、別れの場を提供する業界である葬儀業界は活況を想像するが、どうやら事情が違うらしい。火葬場の不足や家族葬、直葬、合理化、感動化というように別れのスタイルが多様化していることを受け、年々厳しさを増している業界のひとつなのだという。