韓国大統領の側近から日本に対する肯定的な評価が出ている(写真は韓国の青瓦台 (c) Can Stock Photo)

 「アベノミクスを圧倒せよ!」――こんな期待を集めて韓国の副首相兼企画財政部長官に就任してからちょうど1年。なかなか思い通りの成果が上がらないと考えているためか、崔炅煥(チェ・ギョンファン=1955年)氏は思わぬ本音を口にしてみせた。

 「これからは、日本のようになれば賞賛を受けることができる」

 崔炅煥副首相は、2015年7月7日、 韓国中部の世宗(セジョン)市にある企画財政部で韓国の担当記者たちを前にこう語った。

 この日、崔炅煥副首相は就任から1年を迎えるのを前に、在任期間中の成果や課題について語った。

就任当初は日本のような失われた20年を警戒していたが・・・

 韓国メディアによると、崔炅煥副首相は、「日本は『失われた20年』のあと、素早い意思決定のもとで成果を上げている」と語って、日本経済の最近の変化を評価する発言をした。

 さらに「就任した時には、『失われた20年を警戒しなければならない。いまやすでに、その入り口に入っているかもしれない。停滞の流れを断ち切らなければならない』と語った。以前は、日本のようになることは良いことではなかったが、これからはそうではない」とまで話した。

 韓国の閣僚や政治指導者の口から、これほど率直な日本に対する肯定的な評価が出てくるのは珍しいことだ。