中国軍のJ-11B戦闘機(写真:米海軍)

 南シナ海南沙諸島での中国による人工島建設に関して、一部アメリカ海軍関係者たちやシンクタンクの専門家たち、それにフィリピン当局などは1年以上にわたって問題提起をし続けてきた。

 それにもかかわらず、オバマ政権は中国に対しておざなりに遺憾の意を表明してきたに過ぎなかった。しかし、2015年5月、いよいよ人工島に軍用滑走路の原型まで誕生してしまった段階になって、ようやくカーター国防長官は中国当局に対して強い警告を発した。

 それを機にして、アメリカの対中強硬派の人々の中からは「中国が建設している人工島の周辺12海里内に、アメリカ海軍艦艇や軍用機を送り込んで、アメリカは、中国が勝手に多数の人工島を建設して領土領海の主張をなすことを決して容認しない、という態度を明確に見せつけるべきである」という類の主張が噴出し始めている。

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 このような対中強硬派の主張に対して、中国当局は「アメリカが軍艦や軍用機を中国の固有の領土である島嶼や領海に接近させて偵察活動を実施することは、予期せぬ軍事衝突を招きかねない極めて危険な挑発的行動である」との警告を発し続けている。