安倍首相、米議会で歴史的演説 大戦の犠牲者に「とこしえの哀悼」

米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相(2015年4月29日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

 慰安婦問題で日本を長年糾弾してきた米国の日本研究者たちが、「日本軍が20万人の女性を強制連行して性奴隷にした」という年来の主張を一気に撤回した。

 この主張には本来根拠がなかったのだが、ここにきてやっと日本側の主張を間接的にせよ認めたのである。日本側にとっては、歴史問題ではやはり相手の不当な攻撃に屈せず、正しい主張を表明し続けることの必要性が証明されたことになる。

歴史への向き合い方を日本に「説教」

 この米国側の「撤回」は、日本の大手新聞各紙も報道した「米国などの日本研究者187人の声明」によって明らかとなった。この声明は「日本の歴史家を支持する声明」と題され、英語と日本語で公表された。表題こそ日本の一部の歴史研究者たちへの支持という形をとっていたが、実際の内容は、安倍晋三首相や日本政府に対する慰安婦問題など歴史案件での要望や指示だった。この声明は首相官邸にも送られたという。

 同声明の主要部分は安倍政権の歴史観、特に慰安婦問題への姿勢に遠まわしながら注文をつけていた。朝日新聞はそのことを一面記事として大きく報道し、全文までを掲載した。