2月3日付の新聞各紙において製薬企業ノバルティスファーマ(以下、ノバ社)が、医薬品医療機器法の副作用報告義務違反で業務停止命令を受ける見込み、との報道がなされた(その後、期間は15日間で3月5日~3月19日と判明)。

 そして10日後の2月13日には東京大学医学部附属病院が、白血病治療薬の臨床試験に対する不正関与事件で、研究代表者である黒川峰夫教授に対して文書での厳重注意を行った、との発表がなされた。

 この2つの医療ニュースはいずれも昨年(2014年)1月17日から報道されている、白血病治療薬タシグナ(R)(ニロチニブ)の臨床試験「SIGN研究」に端を発している。

 SIGN研究は東大病院の血液・腫瘍内科と、同科に事務局を置く研究会組織が主導して行った、医師主導の中立的臨床研究に、当該薬の製造元であるノバ社が不正に関与していたという事件である。

 SIGN研究で発生した問題は、次の3点が挙げられる。

●患者さんのがん情報を製薬会社に流出させた
●製薬会社との利益関係はないとして、参加医療施設の倫理委員会の研究承認を詐取した
●製薬会社との利益関係はないとして、患者さんの研究参加同意を詐取した上で、病態に関するアンケートや投薬を行った