本記事はLongine(ロンジン)発行の2014年4月13日付アナリストレポートを転載したものです。
執筆 持丸 強志
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投資家に伝えたい3つのポイント

●今回の大幅な円安進行は自動車産業に大きなメリットをもたらします。最も早く、尚且つ、最も大きい効果が見込めるのは、やはり、完成車の輸出でしょう。
●部品の輸出も円安効果が効いてきますが、自動車部品メーカーが直接行う輸出は意外に少ないのが実情です。
●現在、各社が中間決算発表時に公表している2015年3月期の会社予想には、今回の円安は一切織り込まれていません。今後は業績上振れ期待が一層大きくなると思われます。

当レポート関連銘柄

・富士重工(7270):輸出比率が最も高い自動車メーカーの1つ。主要仕向地の北米で販売好調。
・マツダ(7261):輸出比率が最も高い自動車メーカーの1つ。北米より欧州地域で強み。
・トヨタ自動車(7203):輸出比率は極端に高くないが、輸出台数では圧倒的な規模を誇る。
・デンソー(6902):トヨタ系最大の部品メーカー。海外事業の展開規模が大きい。
・ケーヒン(7251):ホンダ系では最大規模の部品メーカー。北米地域のウエイトが相対的に大きい。
・サンデン(6444):独立系(カーエアコン用コンプレッサー等)。欧州地域の事業展開規模が大きい。

113円/ドル台の円安は自動車産業に大きなメリットをもたらす

先週末(10月31日)に日銀が実施した追加金融緩和(以下“ハロウィン緩和”)により、大幅な円安が進行しており、足元は113円/ドル半ばの水準にあります。これは、大変な円安水準にあると言ってよいでしょう。円安進行の背景等については省略しますが、現状の為替水準が定着する場合、或いは、さらに一層の円安進行となる場合、輸出産業へのメリットが期待されています。自動車産業も代表的な輸出産業の1つですから、今後は大きな恩恵を享受すると考えていいでしょう。

最速かつ最大のメリットが発生するのは完成車の輸出

一般に、円安進行は、自動車産業にあるほぼ全ての企業に恩恵をもたらしますが、その大きさや発生時期には大きな違いがあります。今回の“ハロウィン緩和”によるメリットが発生する順序は、①完成車の輸出、②部品の輸出、③海外の事業展開、となり、そのメリットの大きさも同じ順序になると思われます。つまり、輸出事業が大きなウエイトを占めている企業(輸出比率が高い企業、輸出台数が多い企業)が、真っ先にメリットを享受すると考えます。