マット安川 作家・ジャーナリストの山村明義さんが初登場。安倍自民党政権について、選挙前に考えておきたい日本の現状や課題、消費増税をめぐる財務省との駆け引きや対中政策のポイントなど幅広くお伺いしました。

安倍総理は消費増税先延ばしで財務省に喧嘩を売った

山村 明義(やまむら・あきよし)氏
作家・ジャーナリスト。『GHQの日本洗脳』(光文社)、『本当はすごい神道』(宝島社新書)、『民主党政権―悪夢と恐怖の3年3ヶ月』(青林堂)など著書多数(撮影:前田せいめい)

山村 安倍(晋三)総理は消費増税を先延ばしにして、解散を決断しました。ぶっちゃけたことを言うと、これは財務省に喧嘩を売ったことにほかなりません。財務省の役人がお膳立てをし政治家に根回しして、日本のシステムを決めてしまう現状に、総理大臣として打てる手を打ったということです。

 しばらく前に政治と金の問題が取り沙汰されたのは、ある勢力が糸を引いた結果でした。彼らは反日的な情報を流しては、安倍政権の力を弱めようとします。それで急に元気になった財務省の方々が、10%に上げる方向に勢いづいた。

 それでも先延ばしを決めた安倍さんに、彼らは1年半後には必ず上げると言わせました。官僚が権力を握ることの危うさとはこういうことです。そのときの景気がどうでも消費税を上げると決めてしまうのはまずいでしょう。

 彼ら黒子のやっていることはベールに覆われ、いつの間にか全部安倍さんが悪いことになっているんです。

 速報値からすると、今年のGDPは上がらないことがはっきりしています。それでも消費税率を上げようと動いているのは、よほど何かの思惑がある、日本人をだまそうとしている勢力としか思えません。税率を上げれば景気はガタッと落ち込みます。

 8%に上げたことだって、どう考えても失敗でした。そこをさらに10%に上げなければいけない理由など、経済評論家にだって答えられません。財政再建が必要とはいいますが、その前に日本人の暮らしを豊かにすることに取り組むべきでしょう。

中韓に土下座しない安倍総理に権力を集中させよ

 第2次安倍内閣は外交面で素晴らしい成果を収めています。国連加盟国の半数近くに訪問しているというのは、今までならありえないことと言ってもいい。

 私が見聞きする限り、インドの人も東南アジアの人も、安倍さんを称賛しています。いい総理だ、自分たちのことを本当によく考えてくれる、と。日本のメディアは彼らに背を向けて、中国と韓国が言うことばかりを報道しています。不思議なことです。