2013年7月、米国カリフォルニア州グレンデール市に慰安婦像が建てられた。その撤去を求める地元の日本人代表が、第一審で棄却の判決を下されたのにもめげず、2014年9月3日に高等裁判所に上訴した。

 日本や日本人への不当な糾弾に対する抗議であり、日本人として国を挙げて支援を送りたいような訴訟である。ここでの日本非難も、朝日新聞が広め続けた慰安婦についての虚報に依拠する部分が大きい。よってこの日本人代表たちも朝日新聞の虚報の犠牲者と言えるだろう。

連邦政府の方針はどうなっているのか?

 グレンデール市に長年住む日本人女性、ミチコ・キンガリー氏、周辺地域在住のハーバード大学助教授やサザン・カリフォルニア大学教授を歴任した学者の目良浩一(めら・こういち)氏、そして目良氏が代表の一員を務める日系活動団体の「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」は一体となって、慰安婦像の撤去を要求する訴訟をサンフランシスコの連邦高等裁判所へと持ちこんだ。日本では上訴と呼ばれる上級裁判所への控訴だった。

 「慰安婦像の存在は日本人の私たち住民にとって耐えがたい苦痛であり、その像建設の手続きにも問題が多いため、その撤去を求める」――というのが目良氏らの訴えの骨子である。訴える相手はグレンデール市当局だった。

 カリフォルニア連邦地裁に2014年2月に起こしたこの訴訟では、目良氏ら原告側は「慰安婦問題は日本と韓国の間の外交課題であり、米側での外交は連邦政府の主管なのに、グレンデール市がそこに踏みこんだのは憲法違反だ」としていた。

 また原告側は、慰安婦像の碑文にある「日本軍により20万人以上が強制的に性的奴隷にされた」という記述を、同市当局が事前に公表しなかった点も問題であると指摘していた。

 しかしカリフォル二ア連邦地裁は、8月4日、この訴えを棄却した。「原告にはグレンデール市当局の憲法違反を問う資格がない」とする判決だった。