米ニューヨークでは、早くもアイフォーン(iPhone)の新モデルを求める客がアップルの直営店の前で行列をつくっているという。
アップルは米国時間の9月9日にカリフォルニア州クパチーノでイベントを開く予定で、その会場で今年の新モデル「アイフォーン6」(通称)を発表すると見られている。
だが、アップルはまだ新モデルの存在はもちろん、製品名や発売日なども明らかにしていない。テレビ東京の報道によると、それでも人々はいち早くアイフォーン6を入手したいと考え、8月31日から並び始めているという。
サファイア採用は64GBモデル限定か
そうした中、アップル製品の市場動向に詳しい米パイファー・ジャフリーのアナリスト、ジーン・マンスター氏が9月2日に投資家向けのリポートを出した。その内容を複数の海外メディアが取り上げている。
米シーネットなどの報道によると、マンスター氏はこのリポートで、「アイフォーン6はストレージ容量が64ギガバイトのモデルのみに合成サファイア(サファイアガラス)が用いられる」と予測している。
同氏によると、アップルはまずアイフォーン6の64ギガバイトモデルにサファイアディスプレイを採用し、これを初期の市場テストとする。同社はその結果を踏まえ、2年以内に全モデルにサファイアディスプレイを採用したい考えという。
今後2年間の製品名を単純に予想すると、来年登場のモデルは「6s」や「6c」、再来年のモデルは「7」となるが、マンスター氏は、サファイアディスプレイがすべてのモデルに備わるのはアイフォーン7以降だと述べている。
割れにくく、傷つきにくい素材で差異化図る
アイフォーンの今年の新モデルについては、画面サイズが現行の4インチより大きい4.7インチと5.5インチの2モデルが登場すると見られている。米ウォールストリート・ジャーナルなどは、そのうち5.5インチモデルに合成サファイアが採用されると伝えている。
アップルは現行モデルの「5s」「5c」のカメラレンズカバーと、「5s」の指紋認証センサー表面に合成サファイアを用いている。この素材の特徴は、割れにくく、傷がつきにくいこと。また熱にも強く腐食耐性もあることから、航空機や軍用車両、高級腕時計などに使われている。アップルはこれをアイフォーンのディスプレイにも採用し、他社製品との差異化を図りたい考えという。