ワシントンの2つの大手研究所で、慰安婦問題をはじめとする日本の歴史認識をテーマとした大規模なシンポジウムが相次いで開かれた。
どちらも、朝日新聞が「強制連行」説を誤報と認め、取り消した後の出来事である。だが両シンポジウムともに、韓国の駐米大使などが、従来の「強制連行があった」「日本軍によって20万人が性的奴隷にさせられた」という日本糾弾を繰り返した。米国側の関係者の一部もこれに同調し、期せずして日本非難の大合唱となった。日本政府を代表する声はいずれの集まりでも皆無であり、日本の対外発信の欠如を改めて印象づけた。
朝日新聞の訂正を認めない韓国
米国の大手シンクタンク「ヘリテージ財団」が8月19日に開いた「歴史が北東アジアの将来の前進を阻む」と題する討論シンポジウムでは、日韓の歴史問題をめぐる摩擦が主題となった。全体会議の基調演説者は、米国駐在の韓国大使、安豪宋氏である。安大使はこの演説で以下のように日本を批判した。
・日韓関係が悪化しているのは、日本側の政治指導者が過去の事実を認めないためだ。
・特に慰安婦問題に関して、日本の政治指導者たちは過去に起きたことを公正かつ正直な方法で認めていない。過去の事実を否定することで問題を解決しようとしている。
・日本側が最近、慰安婦問題で河野談話の検証結果を発表したことは不当であり、これまでの日本政府の政策に反して日韓関係を悪化させている。
安大使はさらに質疑応答で以下のように述べた。