時代の流れには逆らえないということなのか――。
米大手消費者雑誌「コンシューマー・リポート」の最新調査によると、米大手ハンバーガーチェーンの中で世界最大を誇るマクドナルドのハンバーガーが、他社との比較で最も「おいしくない」という結果に終わった。
米国ではすでに企業の賞味期限切れ
多くの読者は、マクドナルドのハンバーガーの品質や味であれば「しょうがない」との思いを抱くかもしれない。
ここで問題にしたいのは、マクドナルドという外食産業の雄が、米国市場ではすでにピークを過ぎたかもしれないということだ。
「コンシューマー・リポート」は客観的な評価を下す消費者雑誌として定評があり、一般の世論調査とは少しばかり意味合いが違う。
通常の世論調査のサンプル数は1000件だが、同誌が今回採ったサンプル数は3万2405人。しかも全米のファストフード店65カ所で9万6200回の実体験をもとに評価した結果である。
それでも「おいしい」とか「おいしくない」という味覚の評価は主観的である。消費者が持つイメージや既成概念によって結果が左右されやすい。ただどのチェーン店も条件は同じであり、その中にあってマクドナルドは10点評価で5.8点という最低点をマークした。
一方、トップを奪ったのはカリフォルニア州を中心にチェーン展開する「ハビット・バーガー・グリル(以下ハビット)」。
日本には馴染みが薄いが、自家製のバンズを毎日焼き、うまみのある挽肉を使用し、トマトやレタスもカリフォルニアの農園から直接仕入れる品質重視の企業理念を貫く。評価は8.1点。
ハビットとマクドナルドの間には19のハンバーガーチェーンが並ぶ。実はマクドナルドは今でも店舗数(約3万5000)や売上高(約2兆8000億円)で世界最大のハンバーガーチェーンであることに変わりない。1日の利用者は全世界で6800万人に達する。