賞金10億ウォンのセール(ロッテ百貨店ホームページ

 2014年6月27日、韓国の大手百貨店が一斉に、夏のバーゲンセールに入った。各種イベントの中で消費者の度肝を抜いたのが、ロッテ百貨店が実施する1等賞金10億ウォン(1億円、1円=10ウォン)もの抽選会だ。なぜここまでするのか?

 ロッテの抽選会は、セール期間中(6月27日から7月27日)にロッテ百貨店を訪れ抽選会に応募した全顧客が対象だ。

 8月6日に本店1階で抽選会を開き、1等10億ウォン(1人)、2等1億ウォン(2人)、3等1000万ウォン(5人)、4等100万ウォン(100人)の当選者に、それぞれの金額のロッテ商品券を配布する。22%の税金は自己負担だが、それでも破格の賞金だ。

「過激なサービス」だけじゃない、期間1カ月の長いセール

 ロッテに話題が集中してしまったが、新世界、現代など他の大手百貨店も、ブランド衣料の大幅値引きや日替わりのタイムセール、記念品贈呈など数々の特典を付けて顧客獲得に乗り出した。70%引き、80%引きという目玉商品を連日準備しているようだ。

 「過激なサービス」以外に、今年夏の百貨店のセールのもう1つの特徴は、その期間が長いことだ。ロッテ百貨店の場合、セール期間が1カ月だが、他の百貨店もほとんどが1カ月前後のセールを計画している。夏のセールと言えば、これまではせいぜい2週間強という例が多かった。2014年は、長さも極めて異例だ。

 どうしてこんなことになったのか。

 何と言っても、内需が不振で、夏のセールを機に「一気に盛り返したい」という考えが百貨店業界に強いからだ。

 内需不振は今に始まったわけではない。韓国経済は、2014年も4%近くの経済成長を達成しそうだが、そのほとんどが実は「外需」、つまり輸出に依存している。

 例えば2014年第1四半期。前期比で0.9%成長だったが、このうち0.8%分を輸出が占めた。この「経済成長率に占める内需比率」は2013年後半からどんどん下落している。