これまで冷ややかだった米グーグルと韓国サムスン電子の関係に、ここのところ改善の兆しが見えてきたと米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
サムスン、自社の技術をグーグルOSに提供
グーグルは6月25日に米サンフランシスコで開発者会議「Google I/O」を開催した。
その基調講演では、同社のウエアラブル端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイドウエア(Android Wear)」を搭載するサムスン製端末「ギアライブ(Gear Live)」が発表された。
またグーグルのモバイル端末向けOS「アンドロイド」の次期バージョンに、サムスンのセキュリティ技術「KNOX」が組み込まれることも明らかになった。
グーグルの厳しいルールにスマホメーカーは不満
グーグルのアンドロイドは世界のスマートフォンOS市場で最大のシェアを持っている。またサムスンはアンドロイドを採用するスマートフォンメーカーで、同社の市場シェアは30%超と世界最大。両社はともにアンドロイドエコシステム(生態系)の中心的な存在で、離れることができないパートナー同士だ。
だが、それゆえに、それぞれの事業に対する相手の影響力が強すぎて、互いのリスクになっていると指摘されている。
例えば昨年は、グーグルがサムスンに支払っているウェブ検索広告の手数料を引き上げるよう、サムスンが示唆したと伝えられた。
グーグルの主力事業はネット広告で、そのうち検索広告が大半を占めている。サムスンのこうした要求はグーグルにとって事業を脅かしかねない問題だと指摘された。
今回のウォールストリート・ジャーナルの記事によると、サムスンをはじめとするアンドロイド搭載スマートフォンのメーカーはハードウエアよりも利益率の高いアプリケーションやサービスで、自社独自の展開をしたいと考えている。