パン市場で国産小麦が大躍進の理由

新品種開発で掘り起こされる新たな需要

2014.06.06(Fri) 白田 茜
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 私たちの食生活に欠かせないパン。その原料は言うまでもなく小麦である。最近、「国産小麦」を謳ったパンが店頭によく並んでいることにお気づきだろうか。もっちりとした食感と香ばしさで好評という。

 国産小麦を原料にしたパンが出回るようになった背景には、なにがあるのだろうか。

下がってきた国産小麦の価格

 パン向けに使用されている小麦は主に輸入品だったが、最近、国産も出回るようになってきた。その背景には、パン向けの新品種が開発されたことがある。

 これまで国産小麦は、安価な輸入小麦との価格差も大きく「パン向きではないし、高すぎて使えない」という見方をされていた。

 しかし、2014年から生産量第1位の北海道産小麦の価格が下がり、輸入小麦との価格差が小さくなってきた。国産小麦を取り扱いやすい状況になってきたのだ。

 とはいえ国産小麦はいまも希少だ。農林水産省によると、2014年の国産小麦の流通量は77万トン。一方、輸入小麦の量は493万トンと予測されている。輸入小麦の流通量に対し、国産小麦はわずかなものなのだ。

小麦の流通イメージ(出典:農林水産省「輸入麦の政府売渡価格について
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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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