本記事はLongine(ロンジン)発行の5月29日付企業IRレポートを転載したものです。
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 パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)の前川一博 代表取締役社長に当社のクラウド・サービス事業の強さの背景や業界動向についてお話をお伺いしました。

Longine IRから投資家に伝えたい3つのポイント

●クラウド・サービスを積極的に活用したいという企業でも、業界大手のクラウド・サービス内では預けた内容の扱いが見えにくいので、信頼できる先に運用を依頼したいというニーズがあります。
●パナソニックISは松下電工の情報システム部門を源流としているため製造業におけるITについてお客様と問題意識を共有しながら現場密着型で問題解決をしてきたという強みがあります。
●パナソニックISのような従量課金制のクラウド・サービスを引き受けるためには、データセンターへの設備投資が必要となるだけではなく、一括で売上計上できないことから同社のような強固な財務内容が必要となります。

クラウド・サービスの普及は既存のIT企業にとっては脅威ではないのか

Longine IR:投資家はテクノロジー企業に投資をする際には、技術革新に特に気を付けます。これまでうまくいっていたビジネスモデルが一気にうまくいかなるケースを何度も見てきているからです。グーグルやアマゾンなどのICT(情報通信技術)産業での巨大なプレーヤーが超低価格のクラウド・サービスを提供しています。パナソニックISの事業モデルはマイナスの影響を受けているのではないでしょうか。

前川一博社長(以下、前川):クラウド・サービスと一言で言ってもお客様のニーズは様々です。クラウド・サービスが広がる中でも、お客様によっては、ミッション・クリティカルな環境は社内で運用したいという方もいます。また、クラウド・サービスを活用したいというお客様でも、大手のクラウド・サービス内では預けた内容の扱いが見えにくいので、信頼できる先に運用をお願いしたいというニーズがあります。当社はこうしたニーズを取り込んでいます。

パナソニックISのクラウド・サービスは日系競合他社とは何が違うのか

Longine IR:そうした顧客ニーズに対しては他の日系ITベンダーも同様に対応することで、パナソニックISとは差がつかないのではないでしょうか。

前川:当社が「質の高いクラウド・サービスを提供します」といったときに、ノンストップ率を99.95%で保証します。これは1年、つまり24時間×365日のうち99.95%の稼働をお客様に保証するというものです。保証までするというのは、この業界ではあまり見られない取り組みで、お客様から見れば、当社への発注する際の安心感へとつながっていると考えています。

ミッション・クリティカルのクラウド・サービスは「ミネラルウォーター」

Longine IR:ICTを運用する際にその質を求めるのは当然だと思いますが、その市場は大きいのでしょうか。

前川:「水」で考えていただければわかりやすいかと思います。水道は公共インフラで、日本人は水道水を飲めることを知っています。日本人はその水道水を使いながらも、普段、ミネラルウォーターを買うようになりました。水を買うという行為は、利便性もありますが、品質という安全性を求めているといえます。クラウドがインフラであると考えれば、当社が今後とも質の高いミッション・クリティカルのデータセンターを提供できれば、「水」を買うのと同様に品質の観点からも当社のサービスを必要とする市場は広がっていくといえます。