米ヤフーが「ブリンク(Blink)」と呼ばれるモバイルメッセージアプリを手がける新興企業を買収したことが明らかになった。
2011年に元グーグルの社員によって設立された企業で、米テッククランチなどの報道によると従業員数は7人。創業者を含むこれらメンバーの全員は5月13日付でヤフーに移籍している。
同社には米アップルの「iOS」と米グーグルの「アンドロイド」向けのアプリがあるが、今後数週間以内のこれらアプリの提供を打ち切るという。
ヤフー、活況呈すメッセージアプリ市場に参入
ブリンクのウエブサイトには「我々のビジョンをヤフーに持ち込むことによってもたらされる新たな可能性に期待している」という短いコメントだけがあり、買収金額などの詳細は分からない。
だが、この買収が人材や技術の獲得を目的とした「アクイ・ハイア」という買収形態であることは確かなようだ。
ヤフーではマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が2012年7月に就任して以来、こうした小規模な買収を続けている。米ウォールストリート・ジャーナルによると、これまでに買収した企業の数は約40社。いずれも買収後にサービスを終了し、ヤフーの開発チームに加わっている。
こうしたモバイル端末向けのメッセージアプリには注目が集まっている。例えば今年2月には米フェイスブックが「ワッツアップ(WhatsApp)」を総額190億ドルで買収すると発表。楽天も「バイバー(Viber)」を9億ドルで買収した。
ヤフーが今回買収したブリンクはテキストメッセージや、写真、動画、音声などを個人同士やグループで共有するアプリ。利用者が設定した時間が経つと送ったメッセージが消えるという仕組みが特徴で、昨年フェイスブックが買収を試みた写真メッセージアプリ「スナップチャット(Snapchat)」に似ている。