李氏朝鮮(以下李朝)が華夷秩序で自国を「小中華」と位置づけてからは、中国を「大中華」と恋慕する一方で、日本を夷狄とみる歪んだ意識が刷り込まれた。
戦後の韓国はこの陋習から抜け出せないできた。繰り返される反日で、日本においては嫌韓が高じて「無韓」心さえ提唱されつつある。しかし、北東アジアの安全と平和のためには、友好的な韓国の存在が不可欠である。
朴槿惠大統領は高い支持率に加え、歴代大統領と異なる特徴を有している。告げ口外交で日本に相対的優位を得るのではなく、特徴を生かしたリーダーシップで李朝の陋習から抜け出し、自由民主主義国家としての矜持を韓国民に植えつけ(る土台をつくり)、日本と競合し共生する政策で、歴史に歩を刻まれてはいかがであろうか。
「唇歯」の日韓関係
日本と韓国は一衣帯水の地理関係にある。幕末の日本が朝鮮に送った文書は「唇歯の関係」であると述べ、極めて親しい間柄とみていた。地勢からくるこの関係は過去も現在も、そして未来においても変らない。
だからこそ、両国は過去から現在に至るまでいろいろな歴史を織りなしてきた。古代の半島(韓民族)は「紳士の国」として尊敬されていたし、日本へは文化や仏教をもたらしてくれた。近代においては一時的に逆転したこともあるが、今日においては相互に協力を必要とする関係にある。
歴史に対する認識は、国に生命力と尊厳を与える源泉である。従って、一方にとっての英雄は他方にとっては犯罪者となることもあるが、それぞれの国家の解釈に委ねるよりほかはない。
近未来における日本の安全と北東アジアの平和は、韓国の自由民主主義を基調とする安定的な発展にある。
「朝鮮人は空論を好み、激情にして怒りやすく、ややもすれば命知らずで、すぐに昂奮して立ち上がる。目先だけにとらわれて、将来のことはほとんど考えない。高官たちも今日の権勢さえあれば、明日に国が滅亡しても構わない」と李朝を評したのは、中国の近代化を推進した梁啓超である。
これは中国人だから言えたが、朝鮮人が言えば、金玉均のように刺客に狙われること必定であったろう。北朝鮮は共産主義体制となり、韓国は民主主義国家となったが、程度の差こそあれ、双方とも李朝の陋習を遺伝子として受け継いでいる。
韓国の戦後政治
朴大統領は就任早々から反日世論に波長を合わせ過ぎたため、「ドアはいつも開かれている」と言う安倍晋三首相の提案に乗ることさえ困難になり、1年余にわたって日韓首脳会談が開けなかった。日本においては、『呆韓論』がベストセラーになっているほどである。
韓国のマスコミは自嘲気味にかつて「腐敗共和国」と呼んだそうだが、歴代の政権は不正な金にまみれ、大統領自身も身内や側近の不正蓄財などから逃れられないできた。こうした悪習を断ち切れないでいる。