日本の民主党の前原誠司衆議院議員が、3月12日にワシントンで演説をした。米国の民主党系の研究所「アメリカ進歩センター(CAP)」が舞台だった。

 前原氏と言えば、民主党政権で外務大臣まで務めた政治家である。外相時代に外国人からの違法献金の疑惑を追及されたとはいえ、政策通として知られ、民主党の年来の重鎮だとも言える。いわばいまの日本の野党の大物が、米側の与党の民主党系のシンクタンクに招かれ、演説をしたというわけだ。

 その前原氏の演説がなんともいえない奇妙な内容だった。安倍政権の政策への批判を述べつつ、安倍政権は日米同盟の相手国、つまり米国に対して一切公けに批判すべきではないと主張したのだ。

 そうなると、オバマ政権のこのところの安倍政権への批判はどうなのか。前原氏の演説を文字どおりに受け取ると、オバマ政権の態度もけしからんということになってくる。

安倍政権高官による米国批判を非難

 前原氏の演説は「日本の外交と経済の政策:安倍政権を評価する」と題されていた。冒頭では安倍政権が韓国や中国との関係を悪化させたと批判し、自らが外相を務めた民主党政権下では、もっと上手な外交を展開していたと強調した。

 そのうえで、前原氏は以下のようなことを述べた。

 「最近、安倍首相の主要補佐官の2人が次のような発言をしました。