複数の海外メディアの報道によると、米アップルはこの年明けにさっそく企業買収を行ったようだ。同社はここ何年も新興企業など小規模チームや特定技術を対象に買収を繰り返している。

 昨年9月末で終了した2013会計年度では少なくとも15社を買収。この数は2012年度の3倍に達しており、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の買収攻勢は2014年も続きそうだと米フォーブスは報じている。

連写アプリ「SnappyCam」で人気を博す

アップル、ブランド価値でコカ・コーラ抜き世界首位に

アップルのロゴ前でスマートフォンを使う女性〔AFPBB News

 このニュースを最初に伝えた米テッククランチによると、今回アップルが買収したのはスナッピーラブズ(SnappyLabs)というオーストラリアの企業。

 この会社はアイフォーン(iPhone)向けのカメラアプリケーション「スナッピーカム(SnappyCam)」を開発していたが、アップルによる買収が決まったせいか、すでに同アプリはアップルのアプリ配信サービス「アップストア(App Store)」から消えている。またスナッピーラブズのウェブサイトもすでに閉鎖しており、情報はつかめないという状況だ。

 だが米テッククランチ、そして米ウォールストリート・ジャーナルの看板ITコラムニストだったウォルト・モスバーグ氏らが新たに立ち上げた新メディア「Re/code」によると、両社はともに今回の買収について認めている。

 スナッピーラブズのアプリ「スナッピーカム」は、端末カメラの最大解像度を下げることなく1秒間に20~30枚の写真を撮ることができる高速連写アプリ。

 画像のアスペクト比(縦横比)を変更したり、画質を落とすことなく最大6倍までの高速ズームができる機能も備えており、アイフォーンに搭載されている標準カメラ機能よりも優れていると言われている。

アップル以外の大手も欲しがっていた

 開発者はメルボルン大学で電気工学の博士号を取得したジョン・パパンドリオポウロス氏という人物で、会社は同氏が1人で運営していた。

 またこのアプリは世界9カ国のアップストアでトップ有料アプリランキングの1位を獲得した実績を持っており、同社にはアプリ販売による収益があった。これによりパパンドリオポウロス氏は、ベンチャーキャピタルから多額の資金を得ることなく会社を運営することができた。