海外メディアの報道によると、米マイクロソフトでは次の最高経営責任者(CEO)の候補として、米フォード・モーターのアラン・ムラーリーCEOや、米オラクルのマーク・ハード共同社長、フィンランド・ノキアのスティーブン・エロップ前CEOといった人物の名が挙がっているという。
スティーブ・バルマー現CEOの後任を探している取締役会の特別委員会は、これまでに少なくとも8人の社外候補者と2人の社内候補者に連絡を取っており、すでに正式な面接も始めているという。
38年の歴史で3人目、難航が予想されるCEO選び
取締役会は、次期CEOの選任は早いほどよいと考えており、年末か来年初めまでには決定したい考えだと米ウォールストリート・ジャーナルなどは伝えている。
バルマーCEOが今後1年以内、あるいは次期CEOが決まり次第退任するとマイクロソフトが発表したのは今年8月のこと。それ以来同社では管理職専門の人材斡旋会社の協力も得て検討しているというが、後任選びは容易ではないと指摘されている。
というのも、創業38年という比較的長い歴史を持つマイクロソフトにはまだ歴代CEOが2人しかいない。そうした中、これまでCEO候補と目されてきた幹部が相次ぎ同社を去っている。
影響力の大きいビル・ゲイツ会長やバルマーCEOが長年トップを務めてきたマイクロソフトのような会社ではナンバーツーと言える人物が育っておらず、社内から後任を探すのは難しいと言われている。
一方で社外から後任を探すとなれば、マイクロソフトは今回初めて創業者チームとは関連のないCEOを選ぶことになる。しかも今はバルマーCEOが就任した2000年とは異なり、モバイルとクラウドの時代。従来型デスクトップソフトウエアに強みを持つマイクロソフトはこの分野で遅れを取っており、取締役会にとって人選は困難な問題になっている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、こうした状況を背景に、テクノロジーに精通し、イノベーションを推進するタイプの経営者を選ぶべきか、あるいは無秩序に拡大した巨大組織を統括できる経営のプロを選ぶべきか、取締役会では方針が定まっていない。