以前、このコラムでも紹介したパリの高級セレクトショップ、「COMPAGNIE FRANÇAISE DE L’ORIENT ET DE LA CHINE(コンパニー・フランセーズ・ドゥ・ロリオン・エ・ドゥ・ラ・シーヌ、略称CFOC)」。

 長いバカンスシーズンが明けての最初のイベントとして、ここでまた日本を大きく打ち出した催しが始まった。タイトルは「Hiroko Takahashi EFFECT ou Le bouleversement des manières de penser」。

“無駄のない”キモノの魅力を斬新なデザインで表現

髙橋さんの世界観を全面に打ち出した、CFOCのウィンドー(著者撮影、以下同)

 「ヒロコ・タカハシ “エフェクト”」以下の副題を訳すと、「発想の大変動」とでもなるだろうか。

 オスマン通りに面した大きなウインドー全体が彼女のデザインするキモノとモチーフで飾られた様は、風景としてもかなりインパクトがあるもの。ずいぶんと思い切った試みだ。

 髙橋理子(たかはし・ひろこ)さんは、1977年生まれの日本人アーティスト。

イベントのオープニングパーティーでの髙橋理子(ひろこ)さん 拡大画像表示

 既成のイメージの枠を超えたキモノのデザイン・製作を手がけるほか、染織以外のモノ作りの分野、ワークショップ、執筆など幅広い活動を展開しており、東京藝術大学美術研究科博士課程在籍時代の2005年にはパリに滞在し、製作活動をした経験も持っている。

 今回の展覧会で最初に目に飛び込んでくるのは斬新なキモノの数々。円と直線の構成による限りない可能性の広がりを様々な配色で見せている。

 さらに、自らそれをまとった姿も髙橋さんの表現手段の1つ。