『ドラゴン桜』という人気テレビドラマがあった。その中に、「バカとブスこそ東大へ行け」という言葉が出てくる。元暴走族の弁護士、桜木建二が破綻寸前の高校で生徒たちを前にして発するセリフである。
なんの取り得もなく、周りからは見下され、将来に夢も希望も持てない。そんな生徒たちに、桜木はこう言って東大受験をけしかける。「東大に行って人生のプラチナチケットを手に入れろ」──。
人が東大を目指す理由は様々だ。勉強するために東大を目指す者もいれば、ドラゴン桜に出てくる落ちこぼれ高校生のように、一発逆転のカードをつかみ取って人生を切り開こうとする者もいる。または、ただ単に「日本で最難関の大学だから」「ブランドだから」という理由で東大を目指す者も少なくない。
『勉強革命!』の著者である上田渉氏も東大を受験した1人だ。しかし、上田氏のような理由で東大合格を目標に掲げた人はめったにいないだろう。
その理由とは、「政治家になって日本の教育を改革するために東大に行く」というものである。ここまで明確かつ壮大な目的を持って東大を目指す高校生にはなかなかお目にかかれないのではないか。
高校時代に掲げた教育改革という目的
本書は、オーディオブックを配信するベンチャー企業、オトバンクを立ち上げた上田渉氏が、自ら編み出したオリジナル勉強術を、受験生や社会人に向けて綴った本である。頭の中で音読を繰り返す、つまり「耳で学ぶ」勉強術の効果や実践方法を解説している。
『勉強革命!』(上田渉著、マガジンハウス、1400円、税別)同時に本書は、小学校時代から、東大在学中にベンチャー企業を立ち上げるまでの上田氏の自叙伝でもある。
勉強する目的を見つけられず、落ちこぼれになった中学、高校時代。その中で「教育改革」という目的を見つけて、偏差値30の状態から東大に合格。東大に入学後、政治家になるという夢は破れるものの、新たな夢を見つけて起業、という密度の濃い自叙伝だ。
本書を読んだ人は、誰もが、人生において夢や目的を持つことの大切さを思い知らされるだろう。
上田氏は落ちこぼれだったにもかかわらず、教育改革という目的があったからこそオリジナルの勉強術を編み出し、東大合格を果たすことができた。さらには、様々な障害を乗り越えてベンチャー企業を立ち上げて軌道に乗せられたのも、ある目的の達成に向けた強烈なモチベーションがあるからである。
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