MRIC by 医療ガバナンス学会 発行

 現在、世界ではどれくらいの数の美容整形術が行われているでしょうか。国際美容外科学会 (International Society of Aesthetic Plastic Surgery: ISAPS)が、2011年に行われた世界の美容整形術の状況を報告したところによると、

 美容整形手術の最も多い国は、アメリカで約311万件でした。日本は第4位で95万件です。2位はブラジルの145万件、3位は中国105万件、5位メキシコ79万件、6位はイタリア70万件、7位韓国65万件です。

 さらに、イギリスの『The Economist』誌は、この結果を人口当りの手術件数にして報告しました。それによると、1位は韓国、引き続き2位はギリシャ、3位イタリア、4位アメリカ、5位コロンビア、6位台湾で、日本は7位でした。

 2011年の世界保険機構(WHO)の報告による人口統計を用いて計算をすると、韓国は人口1000人当たり13.4件、日本は7.5件の整形手術が行われています。

 ところで、美容整形手術には、外科的手法と非外科的手法があります。日本では、外科的手法は、1位が脂肪吸引、2位が豊胸術、3位が鼻形成術です。

 一方、非外科的手法は、1位ボトックス注射、2位ヒアルロン酸注入、3位レーザー脱毛です。アメリカでは、外科的手法は、1位が豊胸術、2位が脂肪吸引、3位が腹部形成術です。非外科的手法は、1位から3位まで日本と同様です。

 さて、顔の美容整形手術をする大きな理由が、若々しく魅力的になるため、というものです。でも、実際どのくらい“若く”なれると思いますか?

 何より、どのくらい魅力的になれるのでしょうか?

 これまでに、美容手術後に実際どのくらい効果があったのか、客観的、定量的に評価した文献は限られています。そこでニューヨーク、レノックス・ヒル病院のJoshua Zimm医師らは、小規模な研究によってそうした評価を行いました。その結果が先日、『JAMA Facial Plastic Surgery』誌3)に報告されました。

 結論から言えば、この研究によると、顔の美容整形手術受けた後の“若返り”の年齢は、期待しているほどではないようです。