2005年から12年に結婚した米国人カップルのうち、3割以上がネット上で出会っているという調査結果が発表された(シカゴ大学の調査)。

 ネット上とは、出会い系サイト、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、チャットルーム、インスタントメッセージなどである。割合が最も多いのは、出会い系サイトだという。

 日本では「出会い系サイトで恋人を探している」などとは大きい声で言えないような雰囲気があるが、米国では老若男女、誰でも気軽に使っている。

 筆者の60代の義理の叔母は出会い系サイトで知り合った男性と再婚し、70代の義理の叔母も最近までは盛んに出会い系サイトで恋人探しをしていた。20代から50代の友人で、特定の相手がいない人たちはほぼ全員が利用している。過去1年で2人の親しい友人が、出会い系サイトで知り合った相手と結婚した。その1人の相手はなんと警察官だった。

 そもそも、日本語訳となる「出会い系サイト」という言葉が含む淫靡なイメージが、米国で幅広く使われている「オンラインデーティング(Online Dating)」という言葉のあっけらかんとしたイメージとかけ離れているのだが、ここでは「出会い系サイト」という言葉で統一したい。

 およそ2万カップルを7年間追跡調査したシカゴ大学の調査はさらに、ネットで出会ったカップルの方が、職場や友人を介してなどの他の方法で出会ったカップルより満足度が高く、結婚生活が長く続くという結果が出たとしているが、理由についての深い分析はない。

 とにかく米国では、出会い系サイトが恋人や将来の伴侶を捜す場として社会的に定着したということなのだ。

一般化する出会い系サイトの利用

 出会い系サイトには無料と有料のものがあるが、両者ともかなり詳しいプロファイルを書き込まなければならない。自分のものと、相手に望む年齢、履歴、収入、職種などの基本情報はもちろんのこと、人種、宗教、容姿、人格、犯罪歴、支持する政党、政治的信念など、何時間もかけて書き込まなければならない。精神分析のようなテストも受ける。