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「意見を聞くマーケティング」から「行動データを捕捉するマーケティング」へ

デジタルマーケティング思考~その5

2013.07.24(水) 横山 隆治
    http://goo.gl/9MIexW
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 ずいぶん昔の話になるが、筆者も商品開発のためによくグループインタビューを実施したことがある。

 そのころから感じていたことは、まず、グルインでは意見をリードする人がいて、一方で自分の意見があっても主張せずに、同調してしまう人がいること。また、むりやり意見を聞いても、特定のカテゴリーの商品のことをそれほど真剣に考えたこともないので、まともな意見として期待してはいけないこと。

 そもそも、発言がその人の真意かどうかということが問題だと思えた。

マーケティングは意見聴取から行動把握へ

 あるグループインタビューでの経験だが、ダイレクトマーケティングの商品開発のためにヨーロッパの名窯ブランドの陶器類から欲しいものを訊いたことがある。

 意見としては斬新なデザインものを使ってみたいということになったが、インタビューが終わって、「それでは、せっかくですからお好きなお皿を1枚づつ持って帰ってください」と話したら、全員ごく普通の丸皿を持って帰った。

 つまり意見と行動は全く異なったのである。もちろん本人は嘘を言っているつもりはない。しかし、行動に表れたことを真実としてマーケティングする方が正解なのではと思えた。

 この例が適切かどうかは別にして、従来は消費者の行動データなど取得できないことがほとんどであったため、意見を聞くしかなかった。しかし、行動データが把握できる今の時代、アンケート調査データで意見や意識を聞くことに重点を置くより、全数の行動データをできるだけ判断の基準にする方がよいと言える。

 その最たるものがデジタル領域で把握できるログデータであり、様々な段階がある。トランザクション行動、そのリピート行動を把握分析することで、そこに至るユーザーの特徴的な行動を掴むことがマーケティングの重要な指標となる。

 「行動データ」としてのログは、オンラインでの行動データだけではない。

 ポイントカードやクレジットカードなどの購買履歴も利用が許諾されている範囲で、いわゆるビッグデータとして生活者の行動履歴データとなる。また、モバイルデバイスやカーナビ(ドライビング)情報は、位置情報をも加えて、よりリアルな購買チャネルでのユーザー行動データとなってくる。

 「行動データ」をいかに活用するか。特に、個人を特定しないでも、いかにマーケティングデータとして活用するかが今後盛んに研究されることだろう。

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横山 隆治 Ryuji Yokoyama

 

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒。(株)旭通信社入社後、ビール、飲料、食品などのマス広告ブランドを多数担当。96年DAC設立に参画。DAC代表取締役副社長を経て、06年(株)ADKインタラクティブ代表取締役社長。現在(株)デジタルインテリジェンス代表取締役。ネット広告黎明期からその理論化、体系化に務める。著書に『インターネット広告革命』、『次世代広告コミュニケーション』、『トリプルメディアマーケティング』ほか多数。

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