先頃米IDCがまとめた西欧のスマートフォン市場調査によると、今年1~3月期における米アップルの「アイフォーン(iPhone)」の出荷台数は1年前から11%減り、620万台となった。これにより同社の西欧市場のシェアは前年の25%から20%に低下した。

 一方で韓国サムスン電子のスマートフォンの出荷台数は31%増えて1430万台。同社のシェアは39%から45%に拡大している。

 西欧市場では、サムスン、アップルに続き、ソニーモバイルコミュニケーションズが3位に、韓国LGエレクトロニクスが4位、フィンランドのノキアが5位に入った。このうち出荷台数が減ったのはアップルとノキアのみ。ほかは、例えばソニーが1年前から2倍、LGが同ほぼ5倍と、急成長している。

西欧で「第2の波」到来

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サムスン(上)とアップルのスマートフォン〔AFPBB News

 またインド市場を対象にしたIDCの別の調査によると、アイフォーンは昨年10~12月期に売上高ベースで2位に浮上していたが、今年1~3月期は5位に後退、出荷台数ベースではトップ5圏外となった。

 アップルは欧州とインドという2大市場でシェアが低下しているというわけだ。なぜ、このようなことが起きているのかというと、両市場ではアイフォーンとは対照的な低価格端末が売れているからだ。それも急速にである。

 IDCによると西欧のスマートフォン市場には「第2の波」が来つつあるという。

 「第1の波」というのは、高機能、高性能機器が好きな比較的お金に余裕のある層が中心となってスマートフォンを買っていた時代。そして「第2の波」とはフィーチャーフォン(従来型携帯電話)の利用者が新たにスマートフォンを買い始めているというここ最近の現象。

 その最大の要因はフィーチャーフォンを買うという選択肢がなくなってきたことにあるとIDCは指摘している。同社によると実はフィーチャーフォンの利用者は次の端末もフィーチャーフォンを買いたいと思っている。