ちょうど1週間前にブログサービスの「タンブラー(Tumblr)」を11億ドルで買収すると発表したばかりの米ヤフーだが、今度は同社がオンラインビデオ配信サービスの米フールー(Hulu)に買収提案を行ったと伝えられた。

7社が買収に名乗り、激しい買収合戦に

米ヤフー、人気ブログ「タンブラー」を11億ドルで買収

タンブラーの買収を発表したばかりだったが・・・〔AFPBB News

 フールーは、一昨年の9月から日本でもサービスを開始しており、月額980円の固定料金で映画などが見放題になるビデオ・オンデマンド・サービスとして知られている。だが米国では同様の月額7.99ドルのサービスに加え、広告ベースの無料サービスも提供している。

 米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディア報道によると、ヤフーはフールーの高品質な映像コンテンツによってオンライン広告収入を伸ばせると見ている。

 ただしこのフールーを巡っては、衛星放送の米ディレクTVやケーブルテレビの米タイム・ワーナー・ケーブル、そして米ニューズ・コーポレーションの元社長、ピーター・チャーニン氏率いる投資家グループなどが買収案を提示している。

 米ブルームバーグによると、ヤフーが買収提案を行った5月24日には投資会社の米シルバー・レイク・パートナーズと米KKRも名乗りを挙げた。これでフールーの買収を目指す企業は計7社。今後、激しい買収合戦が繰り広げられそうだとブルームバーグは伝えている。

ニューズやディズニーの合弁事業、再び売却検討か

 フールーは、ニューズ・コーポレーション、米ウォルト・ディズニー、米コムキャストなどの合弁事業。2007年に設立され、サービスを開始したのは2008年。

 その目的は、米フォックステレビ、米ABC、米NBCユニバーサルといった各社傘下のテレビ大手の番組をインターネットで配信すること。番組は無料で提供し、広告によって収益を得るというテレビ放送のビジネスモデルをインターネットで実現しようと狙ったものだ。