米ヤフーが人気ブログサービスの「タンブラー(Tumblr)」を11億ドルの現金で買収すると複数の海外メディアが伝えている。
ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)はサービスのモバイル化とソーシャルメディアへのシフトへを進めており、この戦略の下、これまで小規模の買収を行ってきた。
だが11億ドルという買収金額はCEO就任以来最大。この買収が成立すれば、タンブラーのサービスを独立した事業として継続していくもようで、これまで手がけてきた人材の獲得を目的とする「アクイ・ハイア」とは異なる展開となる。
オバマ米大統領も登場する「メディアミックスブログ」
タンブラーは現在26歳のデビッド・カープCEOが2007年に設立した会社。本社は米ニューヨーク市にある。
従業員数は175人。サービスでは、ブログ記事や、写真、動画、音声、ウェブ記事の引用などを投稿でき、ほかの利用者のブログをフォローすることもできる。
ブログとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を組み合わせたスタイルが特徴で「メディアミックスブログ」とも呼ばれている。
タンブラーは、昨年オバマ米大統領がブログを開設したことでも話題になった。現在のブログ数は1億800万で、ウェブサイトのほか、iOS、アンドロイド、ウィンドウズフォン向けのアプリも公開するなど、ヤフーが遅れていると言われるモバイル分野にも強い。
2011年9月に8500万ドルの資金を調達した際は、その企業価値を8億ドルと評価された。
米ウォールストリート・ジャーナルが引用した米コムスコアの調査によると、今年3月時点におけるタンブラーの利用者数は1億1700万人で、1年前の5800万人から急増している。またスマートフォンからの利用者数も約1200万人と、1年前の400万人から3倍に増えた。