先週、米アマゾン・ドットコムが高機能なスマートフォンと、音楽をストリーミング再生するための端末を開発していると米ウォールストリート・ジャーナルが報じ、これが話題になっている。

 アマゾンのスマートフォン開発計画についてはこれまでも何度も報じられてきたが、今度は使われている技術について具体的に言及されている点が新しいと言われている。

3Dディスプレイ、視線で端末の操作も可能に

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 ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは少なくとも2つのスマートフォンを開発している。そのうちの1つは裸眼で3D画像を見ることができるディスプレイを備えている。

 本体には視線検知センサーが組み込まれており、利用者の目の動きを読み取る。これにより、どんな角度から見てもホログラムのように画像がディスプレイの上に浮かび上がる。また視線認識技術があるため、目の動きだけで端末を操作できる可能性もあるという。

 ウォールストリート・ジャーナルはもう1つのスマートフォンについては触れていないが、音楽ストリーミング端末については、オーディオ機器やテレビにつないで使う製品だと伝えている。

 アマゾンには、デジタル音楽の販売ストアがあるが、同社はそれとは異なる定額課金制の音楽ストリーミングサービスを計画しており、これはその専用端末ではないかとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

秘密の開発を行う研究部門「Lab126」

 今回の報道に先立つ今年3月には、台湾のIT業界紙デジタイムズが、アマゾンのスマートフォンの開発を請け負っているのは台湾ホンハイ(鴻海精密工業)傘下の中国フォックスコン(富士康国際)と伝えた。また昨年は米ブルームバーグや英ロイター通信もアマゾンのスマートフォン計画について報じた。

 この時ロイターが言及していたのが、米カリフォルニア州クパチーノにあるアマゾンの研究開発部門「Lab126」だ。この部門を率いるのは、米アップルや米パームでハードウエアの開発を手がけていたグレッグ・ ゼアという人物。アマゾンはマイクロソフトのウィンドウズフォン部門でマネジャーを務めていた人物を雇い入れるなど、この部門の人材を増やしており、その数は昨年時点で800人超とロイターは伝えていた。