米アマゾン・ドットコムが新たなタブレット端末を開発していると複数の海外メディアが報じている。同社には7インチ型の「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」があるが、英ロイター通信によると、現在開発中の製品は5~6種類あり、その中には10インチ型モデルもあるという。
キンドル・ファイアの小売り販売を行っている米事務用品販売大手、ステープルズの米国小売部門社長がロイター通信に語ったと伝えている。
市場環境の変化に対応、ラインアップを拡充
タブレット端末は、米グーグルが先頃「ネクサス(Nexus)7」を発売している。これはキンドル・ファイアと同じ価格帯、同じ画面サイズでありながら、処理能力が高く、アマゾンの強力なライバルになっている。
アマゾンがキンドル・ファイアの販売を始めたのは昨年の10月頃。その後、米アップルが高精細ディスプレイを搭載した「アイパッド(iPad)」の第3世代モデルを発売し、米マイクロソフトも新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」搭載の独自モデルで市場参入すると発表した。
キンドル・ファイア発売以来、市場環境は大きく変化している。競合端末の性能も向上している。アマゾンはこうした状況で製品ラインアップを強化し、プラットフォームを押さえる戦略に出ると見られている。
そのアマゾンの最大の強みは、約1億件以上あると言われる、クレジットカードと紐付けされた顧客アカウントだ。
キンドル・ファイアの発売から10カ月たち、アマゾンには同端末を介して得られたデジタルコンテンツの消費行動データがある。それらデータを活用し、映画や音楽、電子書籍、ゲーム、アプリといったコンテンツ事業の拡大を狙っているようだ。
もう1つ興味深いのは、先頃米ブルームバーグが報じて話題になったアマゾンのスマートフォン開発計画について、ロイターが改めて報じていることだ。