5月5日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、防衛省幹部の死亡事故を取り上げたほか、オーストラリアの対中外交、原発輸出の舞台裏などについて語った(今回はエフエム富士からの出張放送)。
防衛省幹部の死亡事故がメディアでほとんど報じられない不思議
中山 3日午前1時55分頃、東京都千代田区麹町の国道20号(新宿通り)で、歩いて横断していた防衛省統合幕僚監部特殊作戦室長の黒沢(晃)一等陸佐がオートバイにはねられ、全身を強く打って死亡しました。
この事件について中国メディアの中国新聞網は、黒沢氏が尖閣諸島の防衛を担う部隊の隊長を務めた経験や、日米合同演習にも複数回参加していたことから「現在の島の防衛指揮における最高軍事幹部」とするとともに、日本のネット上で「黒沢氏暗殺説」が登場したことを紹介。
同紙の記事コメント欄には、黒沢氏の死を喜ぶような不謹慎かつ過激な反日的コメントが数多く書き込まれたそうです。
中には「これだけの身分なら中国では専用車が出る。中国の軍官は世界一安全だな」など、尖閣問題や反日感情を持ち出さずに昨今同国内で話題となった軍の高級公用車乱用問題を意識した感想も見られたとのこと(参考:サーチナ)。
日中双方のネット上でいろいろな意見や憶測があるようですが、人の死を喜ぶようなコメントは決して許されるものではありません。
不可解なのは、このニュースが連休中ほとんど報道されなかったことです。暗殺説の根拠はありませんが、今は黒沢氏のご冥福をお祈りするとともに一刻も早い事故原因の究明を願ってやみません。
ところで中国は先日、尖閣諸島の領有を「核心的利益」だと公式表明しました。これは、今後も日本領海で挑発行為を続け、いずれ実力で奪いにくると宣言したに等しいでしょう。
自民党は、今後5年間にわたって防衛関係予算を増額すると夏の参議院選挙の公約で打ち出すことを検討しています。
安倍(晋三)首相は、先の党首討論で「第1次安倍政権で防衛関係予算を削減したことは反省すべき点だ。他の省庁の経費と同じように国内を見て一律に削減するのではなく、その時の安全保障環境を見て考えなければならない」と述べたと報じられました。
今は日本が防衛予算を増やすべき時期にあると首相が明言しているとおり、しっかりと我が国の領土・領海の防衛を強化していくことが大事だと思います。