大阪府堺市長の竹山修身氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。国際平和に対する堺市の取り組みや考え、東日本大震災の被災地支援活動、基礎自治体として目指すべき姿などについて語った。

アウン・サン・スーチー氏に贈られた「自由都市・堺平和貢献賞」

中山 任期満了に伴う名古屋市長選が21日投開票され、無所属で現職の河村(たかし)氏が、自民党県連推薦の藤沢(忠将)氏らを破り、3回目の当選を果たしました。

 名古屋では、河村市長と大村(秀章)愛知県知事が中心となって航空産業などの経済政策を進めていますが、国の与党と地方の与党がねじれている現状が少なからず地域経済に影響を与えている気がします。この点についてどうお考えですか。

竹山 国と地方が一緒になって同じ方向に向かっていくことが大前提です。中部地方の各自治体が、住民の皆さんの意向をいかに体現していくかも重要なポイントですが、外交や防衛は国の専権事項だと思います。

 ただ、民間外交などの交流のアシストを地方が担うことは良いのではないでしょうか。例えば堺市は、米国のバークレーやニュージーランドのウェリントン、そして中国の連雲港市と友好都市提携を結び、学生同士など若い世代の交流も積極的に進めています。

スー・チー氏、安倍首相と会談

4月18日、首相官邸で安倍晋三首相と会談したミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スーチー氏(2013年撮影)〔AFPBB News

中山 海外との交流といえば、先日来日したミャンマーのアウン・サン・スーチー氏に、堺市から「第3回自由都市・堺平和貢献賞」が授与されたそうですね。

竹山 堺市は中世から「自由自治都市」として発展してきました。戦乱に遭いながらも、市民の努力によって平和を維持してきた歴史があるのです。

 そうした平和を尊ぶ歴史と伝統を持つ都市として、国際平和の実現に貢献することを目的に、平成20(2008)年に創設したのが同賞です。

 受賞者は、京都大学名誉教授の上田(正昭)氏や裏千家前家元の千(玄室)氏などの選考委員によって厳正に選考されます。今回は、長い自宅軟禁にも屈することなく、地道な活動によってミャンマーの民主化に貢献したスーチーさんの功績を称えて表彰させていただきました。

 また今回は台湾赤十字組織にも贈賞しています。同団体には東日本大震災後に多大な人的・物的支援を行っていただき、その活動が平和に貢献するものとして高く評価されました。