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いま企業に必要なのは「対話」と「ストーリー」~井関利明慶應義塾大学名誉教授・特別対談(第2回)

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(31)

2013.05.02(木) 小川 和也
    http://goo.gl/EmC6w
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 「ソーシャル化する社会」連載30回目の節目にあたり、慶応義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)創設の中心的人物であり、日本のマーケティングにおける第一人者である井関利明慶応義塾大学名誉教授と小川和也による特別対談を4回にわたってお届けしている。

 第2回目の本稿では、ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションやマーケティングの要諦を中心にお伝えする。(第1回はこちら

ソーシャルメディア上では「対話」の姿勢が不可欠

小川:多くの人がソーシャルメディアに参加するようになり、その中で行われるコミュニケーションのあり方はまだ試行錯誤している面があると感じます。

 もちろん、人と人のコミュニケーションということにおいては、ソーシャルメディアの中だからといって特別なものと捉える必要はないかもしれません。

 とはいえ、コミュニケーションがインターネット上で可視化されるようなことはオフラインのコミュニケーションではなかったわけで、そのことは何らかの影響、コミュニケーションの差異を生んでいるのではないでしょうか。

 例えば、ソーシャルメディア上のコミュニケーションでは、自分と誰かの対話が他の誰かに見られていたり、予期しない形でその対話の中に誰かが入り込んでくる可能性があります。

井関利明慶應義塾大学名誉教授(撮影:前田せいめい、以下同)

井関:影響や差異はあると思いますが、いまはそれでも対話を続けることが必要です。人の意見を聞き、それに反応を続ける。その中から何かが見えてくるでしょう。

 例えばそこで議論が巻き起こったとしても、トランスレーターやコーディネーターといった役割を担う人が出てきたり、参加者にとって想定外の気づきなどが生まれてくるものです。そこから新しい発見もある。

小川:今はある意味混沌としていても、それぞれ思い思いに対話を続けていく。試行錯誤する中で、ソーシャルメディアを介したコミュニケーションならではの発見もあるというところでしょうか。

 中には対話というよりも、半ば一方的に発信される情報というのもあると思いますが。

井関:それはそれで良いのですが、ソーシャルメディアに参加するうえではやはり対話の姿勢は重要です。それは企業も同じです。ソーシャルメディアがあってもなくても、絶えず市場との対話が必要なのです。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

小川和也オフィシャルサイトはこちら

慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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