北朝鮮の軍事挑発がエスカレートしてきた。韓国や米国を相手に戦争も辞さないという態度を様々な言動で示し始めた。米国側もついに最新鋭のB2戦略爆撃機までを飛行させるという強硬な有事対応の措置を取るに至った。
北朝鮮はなぜ自国が全面反撃を受けて壊滅しかねない危険を冒してまで、これほどの好戦的な言動を続けるのか。実際の軍事衝突や戦争の可能性はどの程度まであるのか。米国側の専門家たちの分析を紹介しよう。
その分析の中では、北朝鮮による日本へのミサイル攻撃がかなり順位の高いシナリオとして挙げられている点に、切迫した懸念を感じさせられた。
韓国、米国との全面戦争に突入する危険性も
米国のCIA(中央情報局)の元専門官集団が中心になって組織した国際安全保障の民間調査機関「リグネット」は、北朝鮮の脅威についての調査報告をこのほど発表した。この報告は北朝鮮の2月の核開発実験の後から3月終わりまでの戦争を辞さないような好戦的な言動について、北朝鮮が過去にも似たような好戦的な態度を見せてはきたが、「米国の情報機関や軍の専門家たちは、今回は朝鮮半島での実際の軍事衝突の可能性がこれまでになく高くなったと見ている」と述べている。
同報告は北朝鮮自身も、もし全面戦争になった場合、自国が確実に破壊され、敗北することは認識しているが、一部の限定的な軍事攻撃で大きな成果を得られる可能性をもなお信じている、という分析をも示した。その種の一部の限定的な軍事攻撃が韓国や米国の側の大規模な反撃で全面戦争にエスカレートする危険はこの数十年でもかつてなく高まった、ともいう。
しかし北朝鮮はなぜこんな危険な言動を取るのか。リグネットの調査報告は以下のような趣旨の理由を指摘する。