北朝鮮が核武装のための核爆発実験を2月12日に断行してから1週間が経ち、この実験の様々な側面が少しずつ真相を見せてきた。

 米国の情報機関専門家たちは、中国がこの実験への公式非難を表明しながらも現実には北の核武装推進の危険な歩みを許容している、という見方を明らかにしている。ただし、北朝鮮が公式に宣伝する核弾頭の小型化は、実際にはまだ成功していないと見られるという。

北朝鮮を「制裁」したくない中国

 北朝鮮は2月12日、地下での核爆発実験を断行した。その場所は北東部の豊渓里実験場だと目される。この実験が全世界に衝撃波を投げ、米国や日本の国家安全保障にも深刻な挑戦を突きつけたことはすでに明白となった。

 米国の中央情報局(CIA)の元専門官たちが組織した国際安全保障の民間調査研究機関「リグネット」は、この北朝鮮の動きを総合的に分析する報告を2月19日までに公表した。その指摘は日本などで一般に報じられた解釈とは異なる点もあり、注視に値する。

 その指摘のうち国際政治面で最も興味を引かれるのは、中国の態度についての分析だろう。リグネット報告はその点について以下のように述べていた。

 「中国は北朝鮮の核実験断行に強く反発して、北朝鮮への従来の支援を削減するとも言明している。だがリグネットとしては、この脅しには信頼性がないと分析する。北朝鮮自体もその威嚇が空疎であることを理解している。

 今回の核実験に先立って、中国は“反対”の言辞を強硬に、異例なほど表明してきた。だが実際に北朝鮮制裁のための重要な行動を取ることはまずないだろう。

 中国はここ数十年、朝鮮半島に対しては安定を最大優先目標としてきた。中国にとってのその『安定』とは朝鮮半島が南北分断されたままに留まることである。北朝鮮のエネルギー源の85%は中国が供給しており、中国は北の政権を揺るがし不安定化させる能力は十分に持っている。しかし実際にそんな行動を取れば、まず北朝鮮からの大量の難民が中国領へと脱出することとなる。中国はそんな事態は望まない。