米アマゾン・ドットコムは先週、デジタル音楽販売「アマゾンMP3ストア」の米国版サービスについて、「アイフォーン(iPhone)」や「アイポッドタッチ(iPod touch)」の利用者が使いやすいように、両端末向けウェブサイトを刷新したと発表した

アップル商圏外なら手数料は不要

購入CDのMP3版を無償提供、米アマゾン「AutoRip」開始

アップルのアイパッド上に表示されたアマゾンのロゴ〔AFPBB News

 アマゾンには、「アマゾン・クラウド・プレーヤー(Amazon Cloud Player)」という音楽サービスがあり、アマゾンMP3ストアで購入した楽曲は、同サービスの専用アプリを使ってストリーミング再生したり、ダウンロードしたりできる。

 アマゾン・クラウド・プレーヤー用アプリには、米グーグルの「Android(アンドロイド)」に対応したものや、アップルの「iOS」に対応したものがあり、前者では音楽販売も行っている。

 ところがアマゾンはiOS向けアプリ内では音楽を販売していない。アプリ内のコンテンツ販売は規約によって、売り上げの30%が手数料としてアップルに徴収されてしまうからだ。

 こうした事情からアマゾンはアップル端末の利用者にアプリ内ではなく、アマゾンのウェブサイトで音楽を購入してもらっているが、アイフォーンやアイポッドタッチの小さな画面では使い勝手が悪く、購入しづらいという問題があった。

 新たなサイトは「HTML5」と呼ぶウェブの標準技術を使って構築しており、専用アプリに近い形で操作できるというのがアマゾンの売り文句だ。

 アイフォーンのスワイプ操作にも対応し、パソコン版と同じく楽曲の試聴もできる。ベストセラー、新譜、割引販売、ジャンルなどの一覧表示、推奨機能なども用意している。

 同社はこの新サイトでアップルの音楽配信サービス「アイチューンズ(iTunes)」に対抗し、アイフォーンとアイポッドタッチの顧客を取り込みたい考えだ。