購入CDのMP3版を無償提供、米アマゾン「AutoRip」開始

アマゾンは音楽ジャンルで「驚き」の無料サービスを開始する〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムが音楽サービスで米アップルに攻勢をかけている。

 同社は先週、顧客が音楽CDをアマゾンのサイトで買うと、その収録楽曲のデジタルファイルを無料で提供するというサービス「オートリップ(AutoRip)」を米国で始めたと発表した

 同社には「アマゾン・クラウド・プレーヤー(Amazon Cloud Player)」という音楽サービスがある。これは、同社で購入したデジタル音楽がアマゾンのサーバーに自動登録され、アイフォーン(iPhone)やアンドロイド(Android)端末、パソコンなど様々な機器でストリーミング再生したり、ダウンロードしたりできるというサービスだ。

 アマゾンで購入した楽曲のほか、パソコン内に保存してある他社で買った楽曲もアップロードできる。またわざわざアップロードすることなく、パソコン内のファイルをスキャンしてアマゾンの取り扱うデジタル音楽と合致するものがあれば、クラウド上に登録されるという付帯サービスもある。

15年前に購入したCDも対象に

 新たなサービスは、アマゾンのサイトで「オートリップ」というサービス名が表示されている音楽CDを購入するだけと簡単。購入後すぐに、アマゾン・クラウド・プレーヤー上の利用者のライブラリーにその音楽のデジタルファイルが追加される。

 さらにアマゾンが気前がいいのは、過去にアマゾンで購入した音楽CDも対象になるという点だ。アマゾンが現在このサービスで対象にしているCDは約5万点あり、今後順次増やしていくとしている。こうした対象CDを顧客が1998年以降に購入していれば、そのファイルが自分のライブラリーに自動で追加されるというわけだ。

 米メディアのある記者がこの新サービスのことを知り、さっそく自分のアカウントでアマゾン・クラウド・プレーヤーにアクセスしたところ、14年前に買ったCDなど、大量の音楽ファイルが追加されていて驚いたという。

 アマゾン・クラウド・プレーヤーでは、自分のCDをデジタル化(リッピング)したファイルをアップロードしたり、照合したりして登録する場合、250曲までは無料となり、それ以上25万曲までは年間24.99ドルの有料サービスになる。