元吹田市議会副議長・龍馬プロジェクト代表の神谷宗幣氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。大阪市立桜宮高校で起きた体罰事件を取り上げたほか、いじめ問題や教育現場のあり方などについて語った。

教育現場に体罰がはびこっているように報じるのは危険

中山 今回は元吹田市議会副議長を務め、大阪の地方自治に携わってこられた神谷宗幣さんにお話を伺います。

下村博文文部科学相は16日、安倍晋三首相直属の教育再生実行会議の検討課題に体罰対策を加える方針を固めた(写真:前田せいめい)

 神谷さんは政治家になる前、福井県小浜市で2年間高校教師として勤務されたそうですが、渦中となっている大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の2年男子生徒が顧問の男性教諭から体罰を受けた後に自殺した問題については、どんなご意見をお持ちですか。

神谷 事件の当事者となった教師の行動には問題があると思います。ただ注意すべきなのは、今回のような事件が起きた後、教育現場を吊るし上げるような声が寄せられると、事件に関与していない教師も萎縮しかねないということです。

 私が現場にいた頃も、何か問題を起こした教師がいるとすぐに“御触れ”が回り、一生懸命やっていた他の教師まで縮こまってしまうケースがありました。ですから、まるで教師全体が悪いような印象や、教育現場に体罰がはびこっているイメージをメディアが与えるのは危険だと思います。

中山 今回の事件を受けて橋下(徹)大阪市長が「全校長を外部採用にする」と発言したと朝日新聞が報じました。

 外部から監査の目を取り入れて、いわゆるオンブズマン的な役割を持たせることは大切ですが、同時に学級担任の経験がない人材が教育現場に入るメリットとデメリットを見極めるべきではないでしょうか。

神谷 確かに外部の方を採用することは大切ですが、全てそうする必要はないと思います。

 私は昔、いじめと呼べるほどではないものの、人間関係が上手くいかずに辛い思いをした経験があります。そんな時に問題を解決してくれたのは担任の教師でした。担任が生徒同士の揉め事の仲裁に入ってチームづくりをしてくれたのです。

 教師は生徒の学力を上げたりテストの点数を伸ばすことを求められがちですが、こうしたチームビルディングや、コミュニケーションの橋渡しができる人を現場に起用することが必要ではないでしょうか。

 また、子どもたちに対しては「どんな理由があっても他人や弱者をいじめてはならない」ということを価値観や倫理としてきちんと教えるべきです。