米アップルが低価格の「アイフォーン(iPhone)」の発売を計画していると報じられ、ここ数日ネットはこの話題で持ち切りだ。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、低価格のアイフォーンは本体の素材がアイフォーン5のようなアルミニウムではなく、ポリカーボネートプラスチックになるという。また米ブルームバーグは価格が99~149ドルの範囲になり、早ければ今年中に発売されると伝えている。
1年で様変わりした世界のスマートフォン市場
アップルが廉価版のアイフォーンを開発しているという観測はこれまで何度も流れた。
だがウォールストリート・ジャーナルによると、製造工程や管理が煩雑になることを懸念したアップルの幹部が、計画を断念。結局同社は旧モデルを値下げし、廉価モデルとして販売するという道を選んだ。
ところがスマートフォンを巡る市場環境はその後急速に変化しており、アップルは安閑としていられない状況になっている。
例えば、米IDCの統計によると、昨年7~9月期におけるアイフォーンの出荷台数は2690万台で、市場シェアは15%。アイフォーンのシェアはピークだった同年1~3月期の23%から低下した。
これに対し韓国サムスン電子の出荷台数はその2倍以上の5630万台。2010年7~9月期にわずか8.8%だったサムスンのシェアは、31%へと拡大した。
こうしてサムスンが順調にシェアを伸ばしているのは、高価格端末から低価格端末まで広範な市場セグメントをカバーする新製品を続々投入するからだと言われている。