12月23日放送分の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、4週間ぶりにナビゲーターを務めた中山泰秀氏が衆議院総選挙を振り返ったほか、選挙制度や今後の経済政策について提言を行った。

今回の選挙で浮き彫りになった小選挙区制の限界

中山 16日に投開票された第46回衆議院総選挙は、17日午前までに全480議席が確定しました。各党の獲得議席数は自民294、民主57、維新54、公明31、みんな18、未来9、共産8、社民2、大地と国民新が各1、無所属5という結果となりました。

第96代首相に安倍氏

衆参両院は26日、首相指名投票を行い、自民党の安倍晋三総裁を第96代首相に指名した〔AFPBB News

 メディアは自民圧勝と報じていますが、実は大阪にいる我々からするとそうは見えません。

 大阪では石原慎太郎氏が代表を務める日本維新の会が圧倒的に強かった。選挙速報が全国的な自民圧勝ムードを伝える一方で、近畿圏に限っては維新が多くの票を獲得したのです。

 中央では自民党が与党になりましたが、大阪に目を向ければ府議会でも市議会でも自民党は野党なんです。つまり、地域政党である維新の会が大阪の与党として議席数を伸ばしたという見方の方が正しい。

 メディアはもっと地方ごとの選挙動向を分析・検証すべきなのに、「全国でこういう結果が出たから地方も同じだ」と決めつけるのはあまりに大雑把すぎると思います。

 また、私は今回の選挙で小選挙区比例代表並立制の限界が見えた気がします。橋下(徹)大阪市長が以前「ふわっとした民意」という表現を用いましたが、特定の政党を支持しない、いわゆる浮動票の中には次のような意見を持つ有権者も多いはずです。

 「3年前、自民党に辟易して民主党に投票したが、今度は民主党がマニフェスト違反を犯したからまた自民党に票を投じたんだ」と。要するに、民主党がダメだから自民党(大阪では維新の会)を選ぶという具合に“移ろう票”が多かったと言えるのではないでしょうか。

 こうやって、まるでオセロの白黒がひっくり返るように政治が入れ替わる状態が続くと、経済もますます不安定になる一方です。バブル崩壊、そしてリーマン・ショックと日本経済が右肩下がりを続けるなか、今の選挙制度のままで果たして良いのか。

 かつて中選挙区制だった時代には、ここまで政治が左右に揺れ動くことはありませんでした。ある意味で政治的安定が確保されていたんです。